なんのためらいもなく他人のホームページの雰囲気を勝手にパクってみようのコーナー

「ゆうきさん、今日の日記及び今までのネタ、最高です!」
小さな部屋に船なら沈没しかねないほどの記者がひしめき、我先にと彼の唇にマイクをあてがった。フラッシュのウルトラビーム光線及び質問のアイススラッガーは止まるどころか勢いを増して彼に襲い掛かる。

「ありがとうございます」
彼は内心浮かれていて今にもシャープペンシルをカチカチする遊びに興じたい気分であったが、世間の目を気にして彼は極めてクールを装った。

「NIKKI SONIC'09ではそれがまぁBESTで賞を受賞し、公式スポンサーの任天堂から賞品としてミュウのポケモンシールを与えられるなどめまぐるしい活躍で世間的な名誉、もとい駄目人間としてのレッテルを欲しいままにしているわけですが、こういった精…精…精力的な キャ 活動には何か原動力となっているものがあるのですか」

一人の女性記者―奈良県にお住まいのウメさん49歳―が彼に鋭い眼光で鋭い質問を投げかけたように思う。思うけど違う気もする。まぁ、どちらにせよ、どちらにせよだ。

「これだけは言いたくなかったんですが、やはり応援してくださったファンの皆さんのおかげですね。すごく支えになりました」

彼は心にも無いことを…と心にも無いことを思ってしまったと、心にも思っていなかった。どっちだ。そんなことよりも彼はこの後のドジビロン―今の時代で言うと、百万画素カメラ付きレンジャーにあたる―の再放送を録画していたか確認するため、HDとなんとかしてコンタクトをとる方法を考えていた。

おい!キャシャリンキャシャリン!返事してくれよ。頼む!一生のお願いだ!返事してくれよ!

…………

キャシャリンが返事をしないことに彼はとうとう、とうとうだ。あれだ。芽がでた。いや、嘘、でてない。ご飯を炊いた。あ、これも嘘、やっぱり炊いてない。

「99%の朕の脂汗と、あとファンのおかげっと、メモメモ。では今後の活動についてなにか一言」

スケジュールがキツキツに締まっている為、今にでも彼女らを掻き分けて、この部屋から出ちゃいそうですっ。ああっ。そういった彼の心のうちを微妙な温度変化で感じ取った記者団は露骨に嫌な顔をした。ソーセージエッグマフィンは朝マック限定ですと言われたときの顔とは、まるで違う。

「今後とも面白い日記を書けるようがんばろうと思います。」

「ありがとうございましたー。ゆうきさんでしたー」

「やっほーい、これでトントン相撲でとんとん出来るわー」

「キモ!」


なぁなぁである。